2月25日に練馬工房でのワークショップで行われた「刃物の研ぎ方」について報告します。

2月25日に練馬工房でのワークショップで行われた「刃物の研ぎ方」について報告します。

2月25日に練馬工房でのワークショップで行われた「刃物の研ぎ方」について報告します。

 

本題に入る前に「住友スリーM」さんより、このほど新しく開発された「スコッチ チタンコートカッターについてのご紹介がありました。

このカッターは日本で初めて『刃』の部分にチタンを採用し、とても切れ味がよくて耐久性抜群な」なのだそうです。

「性能のいいカッター」を探している方は、ぜひ一度ご検討ください!

現在素敵な『メープルリーフ金貨』などが当たるWキャンペーン中で~す!

ということで、さっそく本題に入らせていただきます。

本日のワークショップは「刃物研ぎ」、講師は角利産業の五十嵐さんです。

 

~~~~~五十嵐さんのお話~~~~~

 

包丁には「両刃」と「片刃」があり、中央のシンの部分にハガネが入っているのが両刃、どちらか片方の側にハガネが入っているのが「片刃」です。

たとえば皆さんが日常よく使われる万能包丁は両刃、出刃や柳刃などは片刃ですね。

 

 

 

 

 

 

 

研ぎ石は現在天然と人造のものがありますが、天然ものは年々高価になってきて入手が難しく、手頃なものは人造の砥石です。

 

研ぎに使用する荒砥石は粒度が80~240位、中砥石は 800~1500位、そして仕上げ砥石は2000~8000位です。

粒度が低いものほどザラザラして、高くなるとスベスベした感触になります。

一般の方々は、『荒・中・仕上げ』の三種類があれば十分です。

 

ところで砥石は作業前にあらかじめ水に浸しておくこと。

石面が乾いていると、刃先を傷つけてしまうことがあります。

 

①    荒砥石についてですが、これは例えば刃がちょっと欠けている場合に使います。

作業としては垂直な角度で包丁を立て、ガリガリと削って刃を落としてしまいます。

こうして欠けた部分がなくなってから、あらためて刃をつけるようにします。

(研いで切れ味を良くすることを『刃をつける』という言い方をするんですね。)

研ぎながら荒砥石の上にはジャブジャブ水をかける。

 

 

②    もしも『欠け』や『こぼれ』がないような場合は、中砥石からはじめます。

ところで包丁の持ち方ですが、利き手でブレないように柄をしっかり持ち、反対側の手は軽くそえるようにします。

刃の置き方ですが、砥石との間に100円玉が2~3個を置けるくらいの角度を保つ。

慣れない初心者は刃の部分にマジックなどで色をぬり、研いだ時にまんべんなく色が落ちているかどうかを見ます。

刃先と砥石との角度が適正に保たれていると、非常に切れ味のいい包丁が仕上がります。

 

 

研ぐ際には、向こうに刃を押す時にある程度力を入れ、引く時には力を入れないようにします。

(ちなみに五十嵐さんの実演を見ていると、あまり力まずに「スッスッ」という感じで作業されていました)

 

たまに水をかけながら研ぎます。

 

しばらく研いでいるうちに「刃がえり」と言って、刃先を指先でさわると少々ザラザラした感触があり、これが研げてきた証拠です。

もしくは親指の爪に刃先をそっと垂直に押し当ててツルッとすべればまだ研げていない証拠、止まれば研げている・・・というような試し方もあります。

 

こうして研げているのを確認したら、両刃の場合には反対側の研ぎを同様に開始します。

裏表5:5くらいの割合で研ぎます。

ちなみに片刃は表が『7』、ハガネのついている裏のほうは『3』くらいの割合で研ぎます。

仕上がった包丁は、研ぎ汁が次の砥石に移らないように水で洗い流してください。

 

次に仕上砥石に移りますが、研いでいるうちに出てくる研ぎ汁(黒っぽいドロッとした液体)は水で洗い流してはいけません。

この研ぎ汁もまた、刃先を研いでくれる貴重な磨き材料となるのです。

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 

(研ぎがうまくいったかどうかを試すために、五十嵐さんは古新聞を包丁でなで斬りにしていました。

まるでデパートでの『よく切れる包丁の店頭販売』みたいな見事な切れっぷりに一同ビックリ)

こうして仕上がった包丁の使用感はたとえようもありませんです、ハイ。

トマトを切ればスッスッ、肉や刺身もスッスツ

(自分の家に帰ってから研いだ包丁で鶏肉を切って、思わずため息が出ました)

これまでは力任せに包丁をブスッ、グニュって感じで切っていたのに・・・今ではなんというエレガントな動き。

 

ちなみにハサミの研ぎもやりましたが、これは包丁より簡単でしたね。

それに研いだ後の切れ味を経験してしまうと、これから先は絶対研ぎたいと思うはず。

ただし髪切り鋏や洋裁の鋏はご法度。

こればかりはプロでないと無理なんだそうです。

 

最後にいつも研ぎ石を偏って使ったりしていると中央の部分がへこんでしまったりするので、常に表面を平らに維持するように心がけてくださいとのことでした。

作業が終了したら、そのつど研ぎ石同士をこすり合わせる(例えば中砥石と仕上げ砥石同士とか)、そして荒砥石などは平滑なコンクリートの上を滑らせるなどの方法で、簡単に砥石の表面を平らに保つことができます。

『道具はいつも使いやすく、作業は楽しく』がDIY女子の心意気・・・ということで、今回も為になる講座をありがとうございました!