古材再生でテーブル作り・・・のお手伝い? №5

古材再生でテーブル作り・・・のお手伝い? №5

 

こんにちは、和信ペイントの緒方です。

元・足場材を使ったダイニングテーブル作りをするにあたって、makinさんから「何を塗ったらいいかな」と相談されてる内容のご紹介、第5弾です(^o^)/

過去の記事はこちらから ⇒ 古材再生でテーブル作り・・・のお手伝い? №1

 

 

ようやく、ニス塗りの工程まで辿り着きました。
今回は1回目のニスの塗り方です。

まっさらな木に初めてニスを塗装する場合、
木がニスを吸い込むのでちょっと塗りにくく感じます。

しかも、せっかくニスを塗ってつやつやしていたのに、
しばらく経つとつやがなくなって、乾いたら表面がザラザラになります。

初めてニスを塗った方は大抵ここでビックリして、
「どうなってるの!?」と質問してきます。

でも大丈夫。
つやがないのも、最初よりザラザラになったのも、
正しく塗れてる証拠なんです(^-^)

1回目のニス塗りの目的は、木につやを出すことじゃなくて、
木の吸い込みを止めることなんです。

 

目的はわかった、じゃあ塗ろう! って思った方。
毎度恒例ですが、ちょっと待ってくださいね。

ハケを塗料につけてしまう前に、
まずはどういう手順で塗っていくかを考えてみてください。
適当に塗り始めてしまうと、後で自分の首を絞めることになりますよ!

 

ニスを塗るときの基本は、
塗りにくいところを先に塗って、塗りやすい場所を最後に残すこと。

集中力があるうちに、狭い場所や細かい彫り込みがある場所を塗っておいて、
疲れてくる後半に広い平面を残しておくと、楽に塗れますよ(^o^)

 

あと、立体物を塗る場合は、1回で全体を塗ることができないので、
ある程度塗ったら一度乾かして、残りを塗る必要があります。

作品が安定した状態で置ける角度を確かめておいて、
塗り方をシミュレーションしてください。

この事前シミュレーションが一番重要になるのは、
床やウッドデッキを塗るときです。
自分自身がどこから逃げるのかを考えておかないと、
せっかく塗った場所を自分で踏みながら外に出る羽目になりますよ(+_+)

 

 

ようやく、ニス塗りに入ります(^_^)

ニス塗りでよく誤解されているのが、
一度塗ったところはもう塗ってはいけないというもの。

別に一筆書きにする必要もないですし、
乾く前だったら何度塗り直したって問題ありません。

正直、一筆書きではきれいになんて塗れないと思います・・・(_ _;)

 

次によく聞くのは、ハケの跡(ハケ目)がつくというもの。

ハケの跡がつく人の大半は、塗料をつけすぎています。

残りは塗料が足りなすぎるか、
塗料が固すぎるか、ハケの毛が固すぎるか・・・といったところです。

ハケに塗料をつけて、すーっと線を引いたとき、
線の両端に塗料の山ができるようであれば、塗料が多すぎます。

かといって、多すぎた! 失敗だ!!(+_+) ってわけじゃないんです。
山になっている塗料を周りに塗り伸ばしてあげて、
最後に木目に沿ってならしてしまえば、きれいに仕上がりますよ♪

 

通常、ワシンの人間として答えるときには、
「木目に沿って塗ってくださいね。塗りすぎちゃダメですよ」
といった表現に留めるんですが、
DIY女子部ではあえてぶっちゃけトークでいきます(*^_^*)

 

1回のニス塗りを、
「塗り広げる」工程と、「整える」工程に分けて考えてみてください。

この内、「塗り広げる」ときは、木目なんて気にしなくてもOKです。
かすれない程度にうすく塗り伸ばして、
足りなくなったらハケにちょっとだけ塗料を足して、また塗り広げます。

塗りたいところに塗料が行き渡ったら、今度は「整える」工程に移ります。
この「整える」工程では、木目を気にしてください(^o^)

一度塗り広げることで、ハケの滑りはよくなりますので、
整えるのもそれほど苦労はありません。
ハケの毛先を使って、木目に沿って撫でるように塗るだけで、
大体整ってしまいます。
表面に塗料が行き渡っている状態で整えるので、
ほとんどの場合ハケに塗料を足す必要はありません。

 

塗るときは、全体を一気に塗る必要はありません。
作品が大きい場合は、部分的な塗装をつなぎ合わせてもいいんです。
多少塗り継ぎはわかるかもしれませんが、
部分的に塗りながら範囲を広げても大丈夫です。

例えば、木目が横に並ぶように板を置いて、
上端の右から左まで、ヨコ幅は全体を塗って、タテ幅は短く塗る。
乾く前なら塗り継ぎ部分の調整もできますから、
余程ヨコ幅の長い板でなければ、案外塗り継ぎは目立ちません。

 

唯一のポイントは、スピード勝負だということ。

乾いていなければ塗り直しができるけど、
乾き始めるともう塗り直しはできません。

もし塗り直そうとして乾き始めていた場合は、
それ以上手を出さず、そのまま乾かしてください。
次の工程にまた「研磨」が入りますので、
その時に凹凸を取るための研磨をすれば、大体直せます。

 

 

次に、塗る量の目安ですが、
これは実際に経験してみないと感覚は掴めないかもしれません(^_^;)

とりあえず言えるのは、
垂直な面に塗ってもたれてこない程度が、理想的な量だということです。

時々「垂れないように水平に置いて塗ってる」ってお客様がいるんですが、
こういう方には「多分塗る量が多いですよ」と警告しています。

意外と少ない量で塗れるらしい、ということを知っているだけでも、
失敗は減ると思いますよ。

 

サクッと説明してしまいましたが、
ニスを塗るときの注意点は、こんなところです(^_^)

塗り終わったら、日陰でゆっくり乾かしてくださいね。
風通しがいいと乾きやすいですよ。

扇風機を使う場合は、作品に直接風を当てるのではなく、
床や天井に向けて風を送ってください。
床に向ける場合は、
埃が舞わないように事前にお掃除しておいてくださいね(^_^;)
室内の空気を対流させると、乾燥には効果的なんです♪

 

最初の方に書きましたが、1回目のニスを塗った後乾かしていくと、
つやのない、ザラザラした状態に仕上がります。

つやがないのは、木が塗料を吸い込んだから。
表面がザラザラしているのは、研磨で取り切れなかった木のクズ(繊維)が、
塗料を吸ったことで起き上がり、そのまま固まったからです。

まっさらな木に1回ニスを塗っただけでピカピカに光るのは、
厚塗りした可能性が非常~に高いんです(>_<)

 

 

次回は、1回目の塗装が終わった後の、研磨のお話しです。

せっかく塗ったのになんで削るの~!? って心配はごもっとも。
ですが、塗ったニスを剥がすための研磨じゃないんです!

 

 

おまけ

以前の記事(№3)のコメントで、ムーミンさんから質問をいただいきました。
皆さんにとっても価値がある質問だと思いますので、
まとめ直して載せておきますね。

 

質問①
ニスを塗った後、ドライヤーで乾燥はOKですか?

回答①
油性・水性を問わず、ドライヤー乾燥はNG

理由は、縮みが起こりやすくなるからです。
縮みは、表面が波打ったように持ち上がってしまう現象です。
ニスが乾ききる前に高温に触れると、起こりやすくなるようです。

塗料にはよく「日陰で乾かして~」と書いてあるんですが、
これも同じ理由でお願いしています。
直射日光を当てると、表面の乾きが早くなりすぎるんです。

ニスを乾かすときは、最初こそゆっくりじっくり。
大体乾いて、あとちょっとなのに~ってぐらいだったら、
いっそ日向に置いちゃっても大丈夫ですよ!

 

質問②
ニスや塗料を塗るときの容器に、牛乳パックを使っても大丈夫ですか?

回答②
塗装時だけならOK、長期の保管容器としてはNG

よく洗ってから、が大前提ですが(^_^;)

乾燥待ちなどで一時的に置いておくときは、
ラップやアルミホイルでフタをしてください。

水性やアルコール系であれば、プラ容器は何でもいけますよ。
プリンやヨーグルトのカップでもOKです。

逆に、油性やラッカーのニスをプラ容器に入れるのは、やめた方がいいです。
塗料に含まれる溶剤で容器が溶かされ、やわらかくなることがあります。
油性ニスをよく使うなら、
塗装用に安物の金属マグでも用意した方が、経済的かもしれません。

 

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