【関東】新木場ツアー2017報告②  《(株)榎戸材木店》

新木場ツアー、木材・合板博物館の次に訪れたのは

千葉県山武地域を中心に育てられた山武杉(さんぶすぎ)という品質の高い木材を取り扱っている会社

株式会社榎戸材木店さんです。

ここで

・手造りピザ釜で、手作りピザを焼きたてで頂く

・「木」についてのお話

・山武杉を使ったガーラント作り

のワークショップをご用意して頂きました。

この日はお天気にも恵まれ、ぽかぽか陽気の青空の下で頂いたピザは最高でした。

ピザはソースも生地も、ぜ~んぶ手作り♪

コトコト煮込まれたオニオンスープも絶品のランチでした♡

ランチの後は、ガーラント作りに使用する板を、プレーナーという機械に通して荒材を滑らかにします。

シロウトには分かりませんが、板を差し込む方向(前後)があるそうです。

三角や五画形に切りだして、レーザーカットされた文字を貼ったガーラントはとても可愛く出来ました。

 

さて、「木」には、

針葉樹:柔らかく傷がつきやすい、ヒノキ、スギ、マツ、ヒバ等

広葉樹:固く傷がつきにくい、ケヤキ、クリ、キリ、サクラ等

があり、用途によって使い分けてますが、私達が良く使うのは、加工しやすい針葉樹の方ですね。

 

この中で、身近な杉ついて学びました。

木の断面を見ると、芯に近い部分がが赤く、外側が白いのが杉の特徴です。

白い部分は白太(しらた)といい、成長部分で柔らかいところです。

IMG_2377

 

この赤味の部分はもう成長しない為、木自身が自己防衛の為にアレやらコレやらと、色々な免疫成分を作り出して貯め込むので色が付いていくのだそうです。

特に国産の杉は、油分が多く水をはじくので腐りにくく、抗菌性も高く、防カビ効果もあり、虫に食われないように香り高く防虫効果もあるそうです。

スギのおがくずと食パンを保存袋に入れたら、半年たってもカビを防いだという実験結果があります。

日本の高温多湿な気候で育った杉は、抗菌、保湿性に優れていて、「隠れた日本の財産」という学名がついているほどなのだそうです。

お家作りなどの土台や床下などには、この赤味の部分を。

地面から遠い部分には白太の部分が使われているんですね。

今まで赤い部分を避けていたのだけれど、これからはありがたや~って買うと思います。

 

次に学んだのは、木材の乾燥について

切り出したばかりの生材(なまざい)は、水分をたっぷりと含んでいてとても重いです。

その後の乾燥が進むと歪んだり割れたりします。

材を使用するには十分に乾燥させる事が大切で、自然乾燥と人工乾燥の方法があります。

自然乾燥は何年もかかる事があり日焼けやホコリで黒ずんできますが、表面を削るととてもきれいな木目が出て木の特徴もそのまま保つようです。

そんなに待っていられない~という人工乾燥にも、低温乾燥(40~45℃)と中温・高温乾燥(60℃以上)があります。

高温乾燥では、せっかくの有効成分や油分も出て行ってしまうので、杉材には天然乾燥かそれに近い低温乾燥が良いとされています。

どこかに、「AD(AirDry)」と表記されていれば、天然乾燥、

「KD(KilnDry)」と表記されていれば、人工乾燥されたものだとわかります。

ちなみに、こちらの(株)榎戸材木店さんが販売している山武杉は、低温乾燥なのだそうです。

 

最後に

戦後、裸山のような状態になった日本の山々に多くの杉が植林され、十分に育った杉の木は、伐採に適した時期にきたのだそうです。

ですが、今まで輸入材に頼らざるを得なかった流れのままで、十分に育った木を伐採しないために、採光が取れず山が荒れているのだそうです。

コストも安く質の良い国産の杉の良さを知って頂き、使って、また新たな木を(花粉が出にくい山武杉など)植林して山を活性化させて行きたいと、熱く語って頂いた(株)榎戸材木店さんの言葉をお伝えして、報告を終わりたいと思います。

まだまだたくさんの事を教えて頂きましたが、まずは皆さん、国産の木を使ってね~(^^)

IMG_0232

とっても温かみが感じられる山武杉のお家。

~参照リンク~

新木場ツアー2017報告① 《木材・合板博物館》はこちら
新木場ツアー2017報告③ 《東京木材市場》はこちら