アパートリノベ・ビフォーアフター(3)

アパートリノベ・ビフォーアフター(3)

            そして作業は始まった!

 

こうして色々な下準備を整えつつ、当日に向けての打ち合わせもしなければいけません。

ところが参加者の中に千葉県在住の方はおらず、ほとんどが遠方にお住まいです。

でも仕事を効率よくやっていく為には、きめ細かな打ち合わせは欠かせないものです。

ではどうしたらいいのか?

そこで「ジャ~~ン♪」(※ドラえもんの声で)「サイボウズ!」

 

私も今回はじめて経験したんですが、いーちゃんが立ち上げてくれたサイボウズというサイトは、なかなかのスグレモノでした。

これによって、ひとつのプロジェクトにかかわるスタッフが、お互いに意見交換し合ったり、情報を共有したりできるんです。

私もサイボウズは初体験でしたが、慣れてくるにつれてとても便利なものだと思うようになりました。

画期的な意見を出してくれる人もあり、同意あり異論ありで、当日までに既にかなりの意思確認が出来ていました。

__________作業初日__________

 

10月13日はいよいよ初顔合わせの日です。

もう私は朝からドキドキ・・・期待と不安と緊張でいっぱいでした。

そしてやってきた女子部の面々は・・・いーちゃんを始めとして牟田さん、モカさん、カオさん、アカネさん、リカッピー、そしてWS参加のシブさん。

いつもの明るい女子部員の面々なので、私もすぐに緊張感が吹っ飛んでしまいました。

 

 

本日の工程は全員が知っているので、すぐに戦闘態勢にかかります。

 

具体的な作業は、1号室と2号室のフロアシートを貼ること、玄関周りの塗装、つけ鴨居やメールボックスや下駄箱の塗装、珪藻土をベニヤ板に塗りつけること、外階段の塗装等、たくさんあります。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

モカさんは、看板製作や下駄箱や部屋番号の表示のステンシルづけなどを担当してくれています。

 

ところでこの「ベニヤ板に珪藻土を塗りつける」作業ですが、これはどういう事なのか説明しますと・・・

   

実は私が最初にこの下駄箱を見た時、色々な問題を感じたのがそもそもの始まりだったんです。

下駄箱には扉がついていますが、わざわざ扉を開けるのが面倒なのか、中がからっぽな場所もあるのに、オープン棚にはびっしりと靴が置いてある。

こんなんだったら、いっそ全部オープンにしてしまったらいいかと思って管理人さんに提案すると、

「それだけはやめてちょうだい!」と一喝されました。

「扉を開けると、くさい靴のニオイが廊下の向こうまで漂ってくるのよ」

どうも普段から、下駄箱に置かれた靴のニオイに悩まされているようです。

その割にはオープンな棚も作ってあるから、矛盾してる気もするんですが・・・

まぁ~でも下駄箱についてはなにかと悩んでいるんだな、ということは察知しました。

 

ところでこの「靴のニオイ」・・・実は靴だけの問題ではなく、下駄箱そのものにも問題があるようです。

40数年を経た下駄箱には、長年の間にしみついたニオイ菌が充満しています。

それらをやっつけることから始めないと、根本的な解決にはならないのかもしれないと思いました。

 

この問題をどう解決するかをいーちゃんと相談した結果、以下のようなことになりました。

まずはきれいにお掃除してから、下駄箱の中に撥水性のある塗装をしっかりかけることと、作業効率を考えてベニヤ板に珪藻土を塗ってから、靴が触れない場所に貼り付ける。

(実は珪藻土には、調湿性と脱臭性能があるんです)

下駄箱の外側には、きれいに塗装をかけてカッコイイ感じのステンシルで番号を表示する。

こうやって手をかけてあげれば、今までは乱雑に扱っていた下駄箱に対しても、きっと愛着がわくに違いない。

今までは下駄箱をあけることすら面倒がっていた入居者も、喜んで使ってくれるようになるかもしれない・・・とのもくろみです。

 

このアイディアはよく言われる「破れ窓理論」・・・「建物の窓が壊れているのを放置すれば、他の窓もまもなく全て壊されるだろう」という考え方が元になっています。

住まいに愛着が持てれば、住んでいる人は自然とそこを大切に扱って、きれいな状態を維持しようとする。

つまりこれこそが、住まいの顔を本当に生き生きさせる秘訣なのではないかと思ったのです。

 

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