アパートリノベ・ビフォーアフター(7)

アパートリノベ・ビフォーアフター(7)

     下駄箱の問題

 

更新がスローになってしまって、すみません!

再び『あさひのリノベ・ビフォーアフター』の続きです。

 

今回のリノベで、現場作業に一番時間がかかったのはどこか・・・というと実は下駄箱なんです。

下駄箱なんて小さいし、簡単じゃないの・・・なんて考えていたら、これが大違い。

 

実はあさひには、下駄箱が一階と2階の2ヶ所にあります。

食堂や風呂場などの共用部分は1階に集中している為、入居者の部屋が少なく、問題の多くは1階よりも入居者の多い2階の下駄箱で発生していました。

 

1階の下駄箱

二階の下駄箱

 

 

 

 

 

 

 

一番最初に2階の下駄箱を下見した時には、左端と上段には扉のない棚が付け足してあり、たくさんの靴が置かれていました。

それでいて下駄箱の扉を開けてみると、中がからっぽだったりするんです。

これはもしかして、入居者が扉の開け閉めを面倒に感じているせいではないか?・・・という疑問を感じました。

そこで管理人さんに「この扉をいっそ全部はずしてしまったらどうですか?」と提案すると、(トンデモナイ!)という顔になりました。

「そんなことしたら、汗のしみた靴の悪臭が廊下の先まで漂ってくるよ」

(そうなのかなぁ~、扉が付いていない場所にたくさん靴が置いてあるみたいだけど???)

若干の疑問を感じつつ、それでも玄関にある下駄箱はいわば建物にとっての顔のようなものですから、こうした問題をほおっておくわけには参りません。

 

問題解決の為にはまずは「現状を観察する」のが第一!

下駄箱の扉をあけてみると、底板には塗装がかけられておらず、まったく撥水性がないことがわかりました。

底板が無塗装

 

これでは、たとえば雨の中を歩いた靴を濡れたまま下駄箱にしまったりすると、木地に泥水が染み込んでしまいます。

長年の汚れが悪玉菌となって、下駄箱の中に住み着いているのではないか?・・・との疑念もわいてきました。

 

そこで今回の下駄箱のリノベに関して、テーマを2つ設定しました。

①悪臭の発生をできるだけ抑えるような対策をほどこす。

②たとえ面倒でも扉を開け閉めして靴を入れたくなるように、使い勝手の良さを工夫し、同時に入居者が愛着の持てるような雰囲気の下駄箱にする。

 

こうしていーちゃんと一緒に、下駄箱の付近であれこれ打ち合わせをしていると、ちょうど入居者がそばを通りかかりました。

これ幸いとばかりに「この下駄箱で使いにくいところはない?」と聞いてみると、『ツマミが小さくて持ちにくい』というような感想をもらしました。

たしかにこのツマミをつかもうとすると、小さすぎて親指と人差し指の2本しかひっかけられません。

これでは持ちにくいし、力のかかり具合も良くないのではないかと思いました。

そこで今度のツマミはもう少し大きいものにして、せめて指3本以上でガッチリ握れるようなものに変えようと考えました。

 

また、湿気とニオイを防ぐのには「珪藻土」を塗るのはどうだろう?、というアイディアも出ました。

ただし珪藻土は表面がザラザラしているので、靴が直接触れる場所にはふさわしくありません。

そこで下駄箱の中でも、靴が触れないようなところに珪藻土を塗ろう、ということになりました。

ただし作業性も考えて、薄い板に珪藻土を塗ったものを下駄箱の中に貼ることにしました。

 

こうして下駄箱改造の段取りがようやくできました!

 

 

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